寝ても覚めても・・・

寝ても覚めても台本のことがアタマから離れない。

実際は第二稿まで完成したのだが、まだ納得いかない。「きた!」という手応えがまだつかめない。もうちょっとでハマる気がするのだが・・と思いつつ、丹念に読み返して不要なセリフは消す。単独でみたら派手で面白いシーンも勇気を持って消す。消しに消す。かわりに、地味でも人物を際立たせるために必要なセリフやシーンを加える・・・

 

粘土細工のように、何度も何度も作品をこねくりまわすのは楽しいのだが、反面、絶えず、いつも不安である。「これは本当にモノになるのか。子供としてちゃんと産み落とせるのか」という不安・・・それで終始、寝不足ぎみだ。起きていても半分夢の中のようで、現実感覚がちょっと失われている。はやく産み落とさないと日常に支障をきたすぞ・・と思うのだが、急ぐな急ぐな、手をかけて詰めろ、時間はたっぷりあるんだ、と自分に言い聞かせ、地味な作業をコツコツと積み重ねている。執筆は、忍耐である。

 

さて、過去の公演を映像でみるたび、「ここはやるじゃない」という面と「だめだなぁ~もっとこうしないと~」という面が交錯して、もっといいものを作りたい、もっとはっきりとした「証」がほしい、という思いが掻き立てられる。役者や演出の大事さはもちろんなのだが、台本のキメ細やかさ、というのはやはりとても重要なものだと思い知らされる。これまでいくつかの台本を力技で押し切ったが、実は力技で押し切った「あと」からの「詰め」こそが命なのだ。

 

に、しても、これだけ書いておいて「やっぱりモノになりませんでした」なんてことにだけはならないようにしなければ・・