セリフを「読む」ということ

本日、顔合わせと読み合わせを行った。
今のところ、初めて参加するのは2名。
それ以外は過去に形態ZEROに参加した「おなじみ」のヒトたちだ。
9年ぶりに会ったが、その「変わらなさ加減」に驚く。

どこの馬の骨ともわからぬ私などの作に集まってくれるだけでありがたいと思う。

さて読み合せだが、役者さんがどれだけセリフの意味を把握してきてくれているか、また読み込んできてくれているか、を密か~にチェックさせてもらっていたのだが、やはりと言うべきか、「読めていないなぁ」と、思う。特に、主要役者さんはことごとく沈没。読み合わせなんだからイイジャン、と言えばそれまでなのだが、一つのセリフが何を意味しているのか、そのセリフが相手に対してどのような働きかけを含んだコトバなのか、くらいはその都度、察知してくれないとダメだぜ?たとえ勘でも構わないからさぁ(笑)。

そうだ、セリフとは、働きかけである。どんなセリフにも「向けられた相手」があり、その相手を「動かす」ために発せられている。「このセリフはどういう感情のもとに言われているか」などは考えなくてもいいが、「何を目的として吐かれているか」は読まないとダメである。その上で、「どうコトバを発すれば相手に届くか」が問われるのだ。

では「相手に言葉を届ける」とは、どういうことか。


相手に向かって言葉を発するだけでは届いたことにならない。
「届ける」とは、「響かせる」ということである。どこに?ハートに?否、カラダに、だ。

 

相手のカラダに言葉を響かせる、ということ。それが「言葉を

届ける」ということの意味だ。


何をもって響かせるか、コトバの、そのアクセントや、コトバが唇を通過する時に生ずる擦過音など・・・要するに、コトバを発する時に君のカラダからあらわれるあらゆる音を駆使して、だ。つまり相手に向かう時は全身で、命をかけてむかえ!!ということだよ。そのやりとりが加熱した時、舞台上に「我々の芝居」が成立するのだ。

このページを読んでくれているなら役者さん達よ、次回会うまでに、上記のことをちょっと意識してそれぞれの現場で考えて欲しいと思う。宿題です!

(ちなみに私ときたら9年間セリフを読んでこなかったためか、「声、出なくなっちまったなぁ」と、ちょいと愕然としました。軽くショックです(笑)加えて、ただの読み合わせなのに全身が筋肉痛になってしまった(笑)。声を出すのには体力が必要だ。体力を鍛えようと改めて思いマシタ。私にとってはそれが宿題です《笑》)