ノドを気にするヒトら

役者には結構、いますね。「ノドが枯れないかどうか」なんてことをヤケに気にしながら稽古してるヒトが。

「本番になってコエが枯れてると、マズイ」なんてガクガクしてるヒトが。

 

ホント、強迫神経症なんじゃないか、と思うくらい、「でりけーと」なヒトらが多く、困りますです。

 

そういうことを気にするヒトというのは、演技に対しても及び腰で、結局、最後の一線を「踏み越える」ことなんかできません。

なにもかもが「守りの姿勢」になってしまうのです。

 

ハッキリいいます。「守りの姿勢」で舞台に立つような人間には、ヒトの心を打つことなんか絶対に、できません。

 

私などに言わせれば、ノドが枯れようが枯れまいがカンケーねぇよ、と思います。むしろ、そんなことを「でりけーと」に気にしすぎて、「一線を越えられない、おざなりのエンギしかできない、命を切り売りしない」ような、中途半端な役者ダマシイそのものが気に食わねぇよ、と思ってしまう。

 

演劇に限らず、表現の場というのは、この世とは別のものだと思います。

 

つまり、その磁場に入ったら、腹をくくる必要がある、ということ。本当に人を殺したら、そりゃマズイ(笑)ですが、本質的には、「何が起きてもかまわぬ場所」、それが表現の磁場だと思っています。だからその磁場に入った以上、「どうともなれぇ~!」といった「無頼の精神」を見せて欲しいものです。それが表現者の魂ってもんだと、思います。過保護にされて腐ったような魂を、表現の場で見せるな、そんなヤワな表現魂ならば表現の磁場に入るな、と思います。あなたたちは「表現者」ではなく、ただの「鑑賞者」にでもなっておれ、と。

 

まぁ、上記のようなことを稽古場でビシバシ言ったりは・・できねぇわ(笑)。このご時勢だもの。パワハラだのなんだのって騒がれちゃうかもしれないし・・・なぁんてことを気にしてしまっている以上、私もまた、ヤワだなぁ~ってこと・・なんだよなぁぁ。